INTRODUCTION

 人は死んだらどこへ行くのか。冥界―。そこは必ず死後に訪れる場所なのに、誰ひとりとして覗いたことのない超自然の異世界。

この人類にとって永遠の謎とも言える命題は、これまでにも古今東西さまざまな映画で探求されてきた。そんな誰もが想像をふくらませたことがある“あの世”というテーマを壮大なスケールの2部作として映像化し、韓国で大ヒットを飛ばしたのが『神と共に 第一章:罪と罰』『神と共に 第二章:因と縁』である。2017年冬に公開された『~罪と罰』は韓国歴代2位(2019年1月現在)の観客動員1440万人、続編の『~因と縁』は同歴代10位(2019年1月現在)の1230万人を達成。その勢いに乗ってアメリカ、カナダをはじめ、台湾、香港、タイ、インドネシアなどの東アジア、東南アジア各国でも爆発的な興行成績を叩き出した。とはいえ、あらゆる観客が幸せになれる美しい極楽浄土が待っていると思ったら大間違い。私たちの想像をはるかに超えたイマジネーションを駆使して、現世での罪と罰が問われる“地獄”への旅を描き上げた冥界エンターテインメントなのだ!

  韓国の人気ウェブコミックを原作とする本作は、準備に約5年、撮影に約1年を費やし、第1部と第2部を同時進行で製作した異例のビッグ・プロジェクト。ひとりの亡者と3人の使者が力を合わせ、幾多のハードルがそびえる裁判を突破していくゲーム感覚のキャッチーなストーリー展開に加え、7つの地獄や三途の川などの奇想天外なビジュアルにも目を奪われる。その東洋的な死生観をベースにした地獄絵巻に、ハリウッド映画ばりのクオリティのVFXとアクション、家族愛や友情のドラマを織り交ぜた映像世界は、全編がクライマックスと言っても過言ではないスリルとサプライズに満ちている。

  はたして“死後の人生”を懸けた地獄巡りの最終地点には、いったい何が待ち受けているのか。誰も見たことのない冥界の全貌と、空前絶後のスペクタクルがそこにある!

STORY

火災現場で少女を救い、壮絶な殉死を遂げた消防士ジャホン(チャ・テヒョン)を迎えた冥界の3人の使者であるカンニム(ハ・ジョンウ)ヘウォンメク(チュ・ジフン)ドクチュン(キム・ヒャンギ)は、「人は亡者になると49日間のうちに7つの地獄で裁判を受けなくてはならない」というルールを言い伝える。その裁判すべてを無罪でクリアした者だけが、現世に生まれ変われるというのだ。かくしてジャホンは3人の使者に導かれ、<殺人、怠惰、ウソ、不義、裏切り、暴力、天倫>という7つの地獄を巡るはめになるが、実直で勤勉な“正義の亡者”であるはずのジャホンの意外な過去が次々と発覚し、冥界と下界を巻き込んだ壮絶なバトルが勃発する!

PRODUCTION NOTE

グリーンバックと荒涼とした撮影地で奮闘した俳優たち
 本作の撮影現場ではベテラン俳優たちの真価が改めて確認された。映画の背景のほとんどをCGで完成させるため、俳優たちは最小限のセット背景や小道具の前で、ひたすら想像力に頼って演じなければならなかった。キャラクターの感情を背負いながら、頭の中ではグリーンバックの向こうの地獄の光景を思い浮かべる演技は高難易度の作業だった。  

にもかかわらず、ハ・ジョンウ、チャ・テヒョン、チュ・ジフン、キム・ヒャンギは見えない怨霊と闘い、ハードなアクションを披露し、7つの地獄の裁判における多様な感情まで完璧に表現した。撮影序盤の段階でみられたグリーンバックの前でのぎこちない姿は跡形もなくなり、時間が経つほどキャラクターにシンクロする俳優たちの姿に、現場のスタッフも感心を禁じえなかったと口を揃える。

自然の物性にインスパイアされた地獄のビジュアル
 本作の世界観を映画化するうえで、最も苦心したもののひとつがビジュアルだ。 誰でも一度は思い描いたことのある冥界の姿を、映画としてリアルに具体化するのはやはり難しい作業だった。地獄独特の神秘的な雰囲気を盛り上げるとともに、リアリティにも力を入れなければならなかったからだ。  キム・ヨンファ監督とスタッフは悩んだ末、火・水・鉄・氷・鏡・重力・砂など7つの自然の物性をアレンジし、大自然の圧倒的な光景を加える策を考えた。〈殺人地獄〉は火の物性を基に火山の噴火口と溶岩のイメージを活用し、〈怠惰地獄〉は水の性質からヒントを得て滝のイメージを活用するなど、各地獄に自然的な特徴を組み合わせて新しい次元のビジュアルを作り出した。

その無から有を創造するプリ・プロダクションの期間には、他の映画に比べて数倍の期間を要した。VFXスーパーバイザーのチン・ジョンヒョンは〈天倫地獄〉に砂漠のイメージを生かすため、実際にモンゴルの砂漠を訪ねるほどリファレンス・データ収集に情熱と誠意を尽くした。

地獄の光景にリアリティを与えたこだわりのセット
 本作はVFXの割合の大きな作品だが、キム・ヨンファ監督は俳優たちが気楽に演じられる場としてセット作りを大事にした。『新感染 ファイナル・エクスプレス』のイ・モクウォン美術監督はあの世の現実感に新たな息吹を与えた。なかでも俳優とスタッフを最も驚かせたセットは、〈ウソ地獄〉に行く関門の“剣樹林”だった。約40日間、力を入れて作り上げた韓国映画史上最大規模のセットである。600トンの土とその重さを支える鉄骨構造を基に、巨大な山の形を整え、その上に実際の森のように地形にうねりを入れて本物の木々と草を植えた。  

また、竹をモチーフにした〈怠惰地獄〉では本物の竹を取り寄せてセットを制作した。 まっすぐに伸びた緑色の竹を確保するため、竹の産地で有名な潭陽はもちろん、釜山にある私有地の森まで取りに行くほどこだわった。大変な思いをして手に入れたこれらの竹は、時間が経てば色が変わるので、撮影の間、その状態を保つことにも手間がかかった。

あの世の登場人物たちを個性豊かに彩る衣装とメイク
 衣装デザイナーのチョ・サンギョンは、人物の特徴を明確化するため、全体的にシンプルかつ印象的なイメージを植えつける衣装をデザインした。あの世の使者らはキャラクターの特性上、色を暗くする代わりに影が長く見えるシルエットで作り、そのポイントを生かした。韓服の道袍の裾のように軽く揺れる線を生かしたこの衣装は、この世とあの世を行き来する使者らのダイナミックな動きを念頭に入れたデザインだ。一方、地獄の大王たちは各空間のコンセプトに合わせて衣装の質感と色を決めていった。シルク、楮紙、麻などの天然素材を活用して韓国的な雰囲気を漂わせるようにした。  

さらに、メイクアップにおいても7人の地獄の大王役の俳優たちは、大胆な変身を披露した。最も強力なカリスマ性を誇るのは、3人の使者に接しているときと、裁判所に立つときのふたつのバージョンのメイクが施された“閻魔大王”だ。〈殺人地獄〉の“変成大王”役のチョン・ヘギュンは、型破りな風貌を実現させるため、2時間以上かけて顔全体の特殊メイクを受ける必要があった。そのほかにも朝鮮時代の王妃のヘアスタイルに着想を得た“初江大王”などの挑戦的なビジュアルが、観る者の興味をかき立てる。

CAST & STAFF

死者と使者の転生をかけた裁判の弁護士 カンニム
ハ・ジョンウ
1978年3月11日生まれ。俳優キム・ヨンゴンを父に持ち、韓国中央大学演劇科を卒業後、舞台で演技を磨く。『チェイサー』の狂気、『哀しき獣』の孤独、『悪いやつら』の野心、『群盗』の激情、『1987、ある闘いの真実』の執念など、役回り以上の人間味をキャラクターに投影し、「ハ・ジョンウ映画にハズレなし!」と言わしめる。『ローラーコースター!』(13年)、『いつか家族に』(15年)では監督&脚本にも進出。新作映画『Take Point(英題)』(18年)でハードなアクションを披露する。
本作ではオールスターキャストの先頭に立ち、深い眼差しによる名演を見せている。
【主な出演作】
1987、ある闘いの真実 (17)、トンネル 闇に鎖された男 (16)、お嬢さん (16)、いつか家族に (15)、暗殺 (15)、群盗 (14)、テロ,ライブ (13)、ベルリンファイル (13)、悪いやつら (12)、依頼人 (11)、哀しき獣 (10)、国家代表!? (09)、ノーボーイズ,ノークライ (09)、チェイサー (08)
死者と使者を危機から救い守る護衛 ヘウォンメク
チュ・ジフン
1982年5月16日生まれ。京畿大学大衆媒体映像学部演技科卒業。01年にモデルデビューし、ドラマ「宮(クン)~Love in Palace」や映画『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』で人気を博す。甘美なラブロマンスから壮絶なバイオレンスまで、卓越した瞬発力で華のある男優へと躍進。『The Spy Gone North(英題)』(18年)で「釜日映画賞」「映画評論家協会賞」の助演男優賞に輝いた。
本作では、2ヵ月以上も費やしたアクション訓練の成果を出し、猛々しくも美しい殺陣を披露。お調子者だが、いざという時に頼りになる重要ポジションで存在感を発揮した。
【主な出演作】
キングダム (19)<TV>、アシュラ (16)、仮面 (15)<TV>、背徳の王宮 (15)、コンフェッション 友の告白 (14)、メディカル・トップチーム (13)<TV>、私は王である! (11)、キッチン ~3人のレシピ~ (09)、アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~ (08)、魔王 (07)<TV>、宮(クン)~Love in Palace (06)<TV>
死者の生前を見通す力を持つ補助弁護士 ドクチュン
キム・ヒャンギ
2000年8月9日生まれ。生後29ヶ月で芸能界デビューを飾る。6歳にして200倍の競争率を勝ち抜いた初出演映画『マウミ・・・』では、監督の指示の通りに瞬時に涙を流すことができ、“演技神童”と称された。その後もドラマ「女王の教室」や映画『優しい嘘』などで多くの賞を獲得。
若手実力派女優へと成長した本作では、「青龍映画賞 助演女優賞」「釜日映画賞 男女人気賞」を受賞。先輩俳優から「キム先生」と呼ばれるほど高い集中力をみせ、ピュアな感性でストーリーに癒しを与えていく。19年春から漢陽大学演劇映画科に進学し、勉強と女優業を両立させている。
【主な出演作】
特別捜査 ある死刑囚の慟哭 (16)、優しい嘘 (14)、女王の教室 (13)<TV>、風と共に去りぬ!? (12)、私のオオカミ少年 (12)、ウェディングドレス (10)<TVM>、ガールスカウト (08)、マウミ… (06)<TVMgt;
死者の運命を握る冥界裁判の統括者 閻魔えんま大王
イ・ジョンジェ
1973年3月15日生まれ。スカウトによりモデルデビューし、大ヒット映画『10人の泥棒たち』『新しき世界』で人気が加速。ダンディなカリスマ性とミステリアスな色香をただよわせ、現代劇でも時代劇でも独自のアプローチでスクリーンを圧倒。16年に親友チョン・ウソンと共に芸能事務所「アーティストカンパニー」を創設し、新人や後輩など多くの専属俳優の育成にも尽力している。
本作では、地獄のトップに君臨する大王を気迫たっぷりに演じているが、撮影現場では清純な女性のようなヘアスタイルだったことから「閻魔姉さん」と呼ばれていた。
【主な出演作】
代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン (17)、オペレーション・クロマイト (16)、暗殺 (15)、ビッグマッチ (14)、観相師-かんそうし- (13)、新しき世界 (13)、10人の泥棒たち (12)、ハウスメイド (10)、タイフーン TYPHOON (05)、オー!ブラザーズ (04)、イルマーレ (01)
除隊を間近に控えた兵長 キム・スホン
キム・ドンウク
1983年7月29日生まれ。高校3年生の時にパク・シニャン主演映画『キリマンジャロ』を観て俳優になる夢を抱き、韓国芸術総合学校演劇院に学ぶ。高視聴率ドラマ「コーヒープリンス1号店」の主要キャストに抜擢され、日本でも大ブレイクを果たした。映画『後宮の秘密』で大胆なシーンに挑み、新境地を開拓。映画、ドラマ、ミュージカルなど幅広いフィールドで高い評価を得ている。
本作では、全編を通してどの登場人物よりも“大きな変化”を遂げる大役を担い、「春史映画祭 助演男優賞」「黄金撮影賞 助演男優賞」に輝いた。
【主な出演作】
イケメン・ライダーズ ~ソウルを駆ける恋 (16)<TV>、イニョプの道 (14~15)<TV>、後宮の秘密 (12)、カウントダウン (11)、ロマンティックヘブン (11)、ダブル捜査線 (10)、国家代表!? (09)、カフェ・ソウル (09)、甘いウソ (08)、コーヒープリンス1号店 (07)<TV>、後悔なんてしない (06)
軍隊に順応できない一等兵 ウォン・ドンヨン
D.O.(EXO)
1993年1月12日生まれ。姓である「DO」から芸名をD.O.(ディオ)とし、K-POPボーイズグループ「EXO」のメインボーカルを務めて絶大な人気を誇る。不当解雇に立ち向かう実話映画『明日へ』でヒロインの息子役でスクリーンデビュー。繊細な演技が必要とされる『あの日、兄貴が灯した光』や『7号室』で、名実ともに “演技ドル(演技のできるアイドル)”として絶賛される。
本作では、キム・ヒャンギと共に「釜日映画賞 男女人気賞」を獲得。複雑な感情表現を見せながら、ストーリーを大きく動かすキープレーヤーを好演している。
【主な出演作】
7号室 (17)、ボクらのラブ・アカデミー (16)<TV>、あの日、兄貴が灯した光 (16)、純情 (16)、君を憶えてる (15)<TV>、大丈夫、愛だ (14)<TV>、明日へ (14)
生前の行いを冥界で裁かれる消防士 キム・ジャホン
チャ・テヒョン
1976年3月25日生まれ。声優の母のもとで“会話をするような自然な演技”が身につき、20歳の時にKBSテレビのタレントオーディションを通じて俳優人生をスタート。主演映画『猟奇的な彼女』は日本でも大ヒットを記録し、好感度と知名度が定着。愛されキャラを持ち味にし、役者業にとどまらず、ラジオDJやバラエティ番組など広範囲で活躍中。
本作への出演オファーが来る1週間前に、主演映画『大好きだから』の撮影セットにあった原作本を偶然読んでいた。人命救助に命を捧げた消防士を真摯に演じ、“チャ・テヒョンの新たなる代表作”の誕生を印象づけた。
【主な出演作】
大好きだから (17)、もっと猟奇的な彼女 (16)、ハート泥棒を捕まえろ! (13)、ハロー!?ゴースト (10)、過速スキャンダル (09)、覆面ダルホ~演歌の花道~ (07)、僕の、世界の中心は、君だ。 (05)、僕の彼女を紹介します (04)、君に捧げる初恋 (03)、永遠の片想い (03)、猟奇的な彼女 (01)
監督・脚本
キム・ヨンファ
1971年9月25日生まれ。プロ野球初となるゴリラ選手の誕生物語『ミスターGO!』、未経験者ばかりのスキージャンプ・チームの奮闘記『国家代表!?』、全身整形で生まれ変わった美女の大騒動『カンナさん大成功です!』など、奇想天外な題材を通して人々に温かい励ましと感動を伝えてきた。
本作では、韓国映画史上初となる「2部構成」を「同時製作」するという大胆チャレンジに挑戦。『第1部』ではキャラクターの特性とストーリーの伏線を縦軸に示し、『第2部』では横軸となる個々の秘話を掘り下げながら伏線を回収。根底に流れる感動メッセージを多くの観客に届けることに成功し、「百想芸術大賞 監督賞」を受賞した。
【主な映画作品】
ミスターGO! (13) 脚本/監督、 マイウェイ 12,000キロの真実 (11) 製作、 国家代表!? (09) 脚本/監督、カンナさん大成功です! (06) 脚本/監督、 オー!ブラザーズ (04) 脚本/監督